子供のころ、アマガエルが大好きでした。かわいいアマガエルをバケツ一杯(多分30匹くらい)捕まえて、祖母に見せたところ、蒼白・無言になってしまいました。カエルが苦手と知らなかったんです、ごめん、ばあちゃん。
今も、アマガエルが好きです、見るだけなら。つやつやした緑色が美しいのです。この10年以上カエルを捕まえにいったことがないので、今は触れる自信はありません。ぴかぴかつやつやな緑色の小さいのなら手に乗せてみたい、気もします。
「アマガエルとくらす(たくさんのふしぎ傑作集)」 福音館書店 2003年3月発行 40ページ ※たくさんのふしぎ版は1999年3月に発行
山内祥子/文 片山健/絵
おうちの洗面所にアマガエルがすみつきました。窓をあけておいたところ、入り込んだようです。夏の間を洗面所で暮らし、夏の終わりには外へでていってしまいますが、毎年、同じ(らしき)カエルが夏にたずねてきてくれるようになり、3年目からは水槽にいれ、一緒に暮らし始めました。愛情こめて、観察しているのがわかります。ごはん(ハエや青虫)のこと、鳴き声のこと、冬眠と冬の過ごし方。手から餌のハエを食べてくれるほど、人に慣れるようなのです。カエルは人間を(おそらく声で)見分けることができるようだ・・といった飼育した人だからこそわかるアマガエルのようすがすごく楽しいです。
カエルは生鮮食品(生き餌)でないと食べないそうなのですが、ごはん(生きたハエ)を用意するのは大変だったでしょうねえ・・
はじめは小さかったけれど成長して大きくなったカエルを「デブちゃん」、まないたでトントンと切る音にあわせてよい声で鳴くカエルを「ナキ虫くん」と名づけました。デブちゃんは、14年も一緒に暮らしました。おもった以上に長命で驚きました。看取りのこともかいてあり、思わず涙がにじんでしまいました。
片山健さんの挿絵がすごくかわいらしい。愛らしく美しいアマガエルが堪能できます。
とっても愛のこもった観察記録です。よい絵本でした。