「ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑」 西村書店 2014年2月28日発行 48ページ
イバン・バレネチェア/作 宇野和美/訳
植物学博士ボンバストゥス・ドゥルシメールが作り出した奇妙奇天烈な植物を紹介する絵本です。
迷路ヒバ、馬車カボチャ、靴下ワタ、ソーラーパネルヒマワリ、階段リンゴ ???聞いたことのない不思議な植物ばかり。
そうです、すべて架空のもの。それを楽しむ絵本です。
最後のページには、ラテン語の学名まで記載されて、ほんとにありそうです。面白そうなものばかりだけじゃなく、ちょっと迷惑なトゲあるのもまた楽し。
とても美しい挿絵です。(特に猫が美しいようにおもいます。私が猫好きだからでしょうか・・)葉っぱの葉脈や登場人物が着ている服の模様も細かく描き込まれていて、見るのも楽しい。
最初はどんな植物があるのか楽しんでみてください。描き込まれた道具や人物がほかのページにも登場していますので探したくなります。あちらとこちらのお話の続きが想像できるので何度も楽しめます。
少しだけ(私の気に入った)植物をご紹介しておきましょう。
*迷路ヒバ =目もくらむ速さで成長し、足を踏み入れたが最後、抜け出すことのできない迷路をつくる低木。このヒバにかかっては、羅針盤も地図も六分儀も日時計も方位盤も用をなさない。 ・・怖いけど、ちょっと迷い込んでみたい・・
*ソーラーパネル ヒマワリ =太陽の光を集める性質を持つ花。日中ためた熱を、夜のあいだに屋根や壁に放出し、家中をあたためる。 ・・冬はいいですよね~これ。電気代がうく・・エコですし。
*階段リンゴ =このリンゴの木は高い所へ行こうとするかのように、上へ上へとのびつづけるので、この木のてっぺんになるリンゴは、まちがいなく世界一おいしいはずである。諸君がこの本を読んでいる間にも、この木のリンゴはさらにおいしく・さらに手が届きにくくなっているであろう。 ・・食べたくなるね~。
*案山子ユッカ =カラスなどの害鳥を畑からおいはらうのに、きわめて有用。(カカシとして)仕事熱心なあまり、ときとして苦情がでるが、そのころには当の本人は、ゆくえをくらましている。皿にのった野菜をいつまでも食べようとしない子どもに、この植物の名前を言うと効果てきめんである。 ・・楽しい案山子です。
*指輪イモーテル =永遠に咲きつづける、世界でただひとつの花。 ・・ロマンチック!
イバン・バレネチェアさんは、スペイン・バスク自治州生まれ。日本ではこの作品が初めての邦訳。ほかの作品も読んでみたいです。