「わたしはみんなのおばあちゃん はじめての進化のはなし」 岩波書店 2019年7月発行 30ページ
ジョナサン・トゥイート/文 カレン・ルイス/絵 真鍋真/訳
今回は、かがく絵本のご紹介です。進化について、たいへんわかりやすくかかれた絵本です。
今から4億年ほど前のおはなしです。4億年、といわれてもどのくらい昔のことなのかぴんときませんね。それを「ずっと ずっと ずっと ずっと ずっと ずーっと」と表現しているのが面白いです。だいぶん前のことなんだろうなぁとなんとなくわかりますね。魚、犬、猫、鳥、馬、サル、人間、恐竜などいろんな生き物の祖先を、(みんなのおばあちゃん)とよんでいます。
4億年前の私たちみんなのおばあちゃんは、水の中にいて魚のようなかたちをしていました。体を「くねくね」させてすいすいと泳ぐことができ、くちを「ぱくぱく」動かしてぱくりと食べ他の生き物を捕まえやすいアゴのかたちをしています。「くねくね」「ぱくぱく」という擬音も読んでいて楽しく伝わりやすいようにおもいます。この「くねくね・ぱくぱく」することが出来る生き物から、(はちゅうるい・ほにゅうるいたちみんなのおばあちゃん)である生き物や、いろんな種類の魚・サメ・シーラカンスなどたくさん孫たちが生まれました。
「くねくね・ぱくぱく」することができる生き物から、他にもいろいろな特徴「はいはい・すーはー・きゅーきゅー・ぎゅっと・ぐーっと・ほーほー」することができる子どもたちが生まれていきました。どんどん進化していくのを追っていきます。そしてとうとう「すたすた・ぺちゃくちゃ」することのできる(にんげんたちみんなのおばあちゃん)にたどりつきます。ホモ・サピエンスです。200万年ほど前にうまれました。
巻末には、少し詳しい説明・解説がのっています。子どもたちに説明を求められた時に役立ちそう。人為選択・自然選択について、進化の系統樹ものっています。この系統樹がまた面白い。進化が木の枝のようにかかれています。「地球のすべての生きものはつながっている」ということが目で確認できます。4億年という長い長い長い時間をかけて、地球上でおこった生き物の変化をおもうと、不思議な気持ちになります。「世界中の人びとはみんな親戚同士で、みんなホモ・サピエンスという同じ種なのです。」良い絵本とおもいます。