以前にもご紹介しましたデイヴィッド・ウィーズナーさんの絵本です。調べると3度目でした。いろんな方の作品をご紹介するべきとおもうのですが、すごく気に入ったのです。ごめんなさい。
ロボットが登場人物の物語です。ロボはロボでもいろんな色や形のロボがいて、個性があってすごくかわいいんだ。ながめると楽しいです。*登場人物表が見返しにございます。
キャシー(ロボットの女の子)
スプロケット(ロボットのペット・アンコウみたいな犬のような見ため)
フランジ(新しくやってきた弟)
パパ(ラグナット)、ママ(ダイオード)、マニホルド(マニおじさん。患者はどこだ?といってるので整備士というよりお医者さん?)、ロボベイビー社の社員さんたち、そしてたくさんのお近所さん。
「ロボベイビー」 BL出版 2021年10月発行 32ページ
デイヴィッド・ウィーズナー/作 金原瑞人/訳
原著「ROBO BABY」 David Wiesner 2020年
ロボット一家に新しい家族ができる!そんなお話です。
主人公はキャシー、ロボットの女の子。
パパがなにか入った箱をお持ち帰り。箱には「内容:フランジ 体重125キロ ニューモデル!(こわれものシール貼付けられてるのが細かいな)ロボベイビー社製」と書かれています。キャシーに弟ができるのです。ご近所の皆様が続々とお祝いにかけつけてくるのがまた面白い。
ロボなのでパーツを組み立てて新しい家族を作る、というのがまた面白いですね。家族ってなに?ロボって成長する?性別必要?など疑問がわいてくるのですが、とりあえずスルーよ。赤ちゃんの組み立てはママの仕事だといって、キャシーの熱心な手伝いの申し出を断ります。たくさん書き込まれた大きなマニュアル(取扱説明書)に往生し、ママは組み立てに失敗。(以前と違って赤ん坊の組み立ては複雑になったのですって。)お医者のマニホルドおじさんに助けを求めます。
ボディに工具をたくさんつけた、格好いいマニホルドおじさん、登場。が・・・マニホルドおじさんの体をよく見ると、ボディ部分に錆がういて塗装が落ちてますよ~、なんだか不安になります。大丈夫かなあ、という心配はやはり当たってしまい、マニュアルを無視して、勝手に改造しています。下部にロケット装着とかしてますね。すごいなあ。(大人になってからなら、まあいいんじゃないかなあとおもいますが)
キャシーがマニュアル通りじゃないと物言いをつけますが、子どもだからか真剣に受け取ってもらえないのは寂しいなあ。キャシーの熱心な手伝いも断ってしまうし。オトナのばか。
それにインストールデータをアップデートをしなかったため、暴走し始めるフランジ。おまけに改造が加えられているため、パワーが半端ない。暴走の赤ん坊を捕獲するため駆けつけたロボベイビー社の社員3名やパパ、ママ、マニおじ、ご近所の方々のおっかけっこが始まります。このあたりのわちゃわちゃが小さな人には楽しいのじゃないかしら。
まかせておけない!とキャシーが暴走フランジをつかまえて、再々度の組み立てをします。きちんとインストールも済ませ、新しい命が完成し、大大円。 でもでも、箱の中をきちんとチェックしてみると・・・もう一つ別の箱が。「ふたご!」
面白いSF短編作品を読んだような気持ちになりました。楽しかったです。続きがでればいいなあ。
よーく見ると、パパの金属の体に反射してうつりこむ風景や人物、ペットのスプロケットがよそんちのペットと見つめ合ってたりするのが描き込まれていて面白い。
オイルケーキ、手作りさびスープ(亜鉛入)、歯車のオイルづけ、、という独特な食べ物も機械油臭を想像しウェ~と思うも面白い。
あと個人的にですが、床に落ちているネジやら歯車やらの部品がすごく気になるんだなあ。パーツなくしたら完成しないんじゃないか、とすごく心配で心配で・・
デイヴィッド・ウィーズナーさんのほかの絵本に
「1999年6月29日」「フリーフォール」「夜がくるまでは(イブ・バンディング作)」「セクター7」「3びきのぶたたち」「おぞましいりゅう」「漂流物」「アートとマックス ごきげんなげいじゅつ」「ミスターワッフル!」「ぼくにまかせて!」