宇宙飛行士ではない民間人でも宇宙旅行が夢ではない(高額ですけれど)とか、火星移住計画進行中?とか、アメリカ宇宙軍が編成されたとか、宇宙に関するニュースをよくきく今日このごろです。
そしてこれは人類が初めて月へと旅をした物語の絵本なのである。
「月へ アポロ11号のはるかなる旅」 偕成社 2012年2月発行 40ページ
ブライアン・フロッカ/作・絵 日暮雅通/訳
原著「MOON SHOT THE FLIGHT OF APOLLO11」 Brian Floca 2009年
1969年7月16日、3人の宇宙飛行士が、アポロ11号に乗って、月に向かって飛び出した。
今から(2021年現在)52年前のお話です。地球から月まで往復で「すべてがうまくいけば、1週間の旅」。日数だけで考えると意外と近いなあ、という印象。
本文は簡潔なやわらかい言葉でわかりやすい。リアルな挿し絵がものをいう感じですね。
船長のアームストロング、パイロットのコリンズとオルドリンが、月へと向かう大冒険。地球から離れるに従い段階的に切り離されていくロケット、宇宙の暗さ、冷たさ。月へと向かう思い。
船内のいろんなことも。物品にマジックテープがはりつけられている理由。無重力状態の船内での食事やトイレするコツ。船内、やはり臭ってくるそうです。う~ん。
月への着陸の冒険の臨場感はたまりません。機器の不具合によって着陸に時間がかかり制限時間あと60秒しかない!という状況になっていたのだそうです。
「ヒューストン、こちらは〈静かの海〉。イーグル(ワシ)は舞い降りた。」「ついさっき、駐車場に車をとめたとでもいうような、おちついた声。 でも地球のみんなは大さわぎだ!」ひゅ~!
月からの帰りが2ページなのがあっさりで残念です。もうちょっとページがあってもよかったのでは。
前・後ろの見返しに、サターン5型打ち上げロケット・アポロ宇宙船・月からの離陸のこと・ソ連×アメリカ宇宙開発競争・アポロ計画のことなども少しずつですが解説あり、情報満載。
1972年12月から人類は月に降り立っていないそうです。これから身近になっていくのでしょう。やっぱり行けるなら行ってみたいものですね。幼い方々がこの絵本を読んで宇宙に興味が湧いたらば幸いと存じます。
著者のブライアン・フロッカの他の作品
「走れ!!機関車」1869年アメリカ大陸横断鉄道に乗った家族のおはなし。当時の列車の旅がどんなだったかわかります。機関室内の描写もアリ!
宇宙開発が題材の読みやすいSFもついでに。(わたし好みですのでお好みに合わなくてもお許しを)
「火星の人/アンディ・ウィアー」映画にもなりました。アクシデントで火星でたった一人、でもへこたれない主人公マークがとにかく魅力的。「夢みる葦笛/上田早夕里」SFいろいろ短編集。「プラネテス(全5巻)/幸村誠」スペースデブリ回収業の青年の成長。マンガです。「タフの方舟(全2巻)/ジョージ・R.R. マーティン」最強の宇宙船・方舟号をめぐる人々と商魂たくましい(猫好き)タフの駆け引きがグッド。ゲーム・オブ・スローンズ作者です。