メアリー・チャルマーズさんの絵本を2点ご紹介いたします。
モノクロのさしえでお花やおうちなど一部に淡い色がつけられていて優しい感じです。二足歩行のねこやいぬたちがかわいくてファンタジック。時々、猫らしい犬らしいしぐさのさしえも面白い。友達との楽しい時間が描かれていて幸せな気持ちになります。
「いっしょにおつかい」 岩波書店 2019年5月発行 54ページ
メアリー・チャルマーズ/作 福本友美子/訳
原著「COME FOR A WALK WITH ME」 Mary Chalmers 1955年
白い家にかあさんと住んでいるスーザンという女の子のおはなしです。
かあさんにお隣のホーシーフェザーおばさんへおつかいをたのまれ(はちみつ1カップ)、友達と散歩して、遊んで、おうちへ帰るというとてもシンプルな筋立てなんですが、すごく楽しい。お話の途中にのっている地図を見ると、すごく遠回りしてます。かあさんはまだかなまだかな~と待ってるかもしれないんですが、いいんです。待っててもらいましょう。
ホーシーフェザーおばさんのために、ともだちのうさぎのウィルと花束をつんで、ねこのトミー、きつねさん、ねずみさん、たぬきさん、くまさん(?)など森の動物たちと遊びます。野原や涼しい池、うすぐらい森に咲くお花をたくさんたくさんつみます。道っぱたで好きなだけお花をつめるってすごく贅沢ですよね。そしてもちろん、おやつがでてきます。ブルーベリーパイをいただきました。ああ~おいしそう、いいなあ。
散歩のついでにおつかいしたというごくささやかなことなのですが、楽しいことてんこもりの素晴らしい時間をすごしました。
「こねこのハリー」 福音館書店 2012年10月発行 32ページ
メアリー・チャルマーズ/作 おびかゆうこ(小比賀優子)/訳
原著「THROW A KISS, HARRY」 Mary Chalmers 1958年
ちょっとした危機はありますが、このおはなしもシンプルなストーリーです。こねこのハリーはかあさんとさんぽにでかけます。とっぱちに出会ったカメさんにいきなりちょっかいかけるのが楽しい。ひとりでうろちょろしたり屋根の上に登っておりられなくなったりとやんちゃなこねこらしい行動がかわいいんです。ちょっと危ないですけれどね。屋根からおろしてくれた消防士さんへお礼に投げキスしなさい、とかあさんに言われてもしないハリーああしなさいこうしなさい、と言われ続けてちょっと意固地になってるハリーにふふっと笑ってしまいます。かあさんのこと大好きなんだけど、時にはそんな気持ちになること、わかるわかる。にんまりしているハリーの表情にもご注目ください。たまらないです。
しかしながら、投げキスってちいさな男の子が大人へしてもいいものなんですね。艶やかな女性が男性にするものとおもっていました。
こねこのハリーのシリーズは他にも3作ございます。「ハリーのクリスマス」「まっててねハリー」「ハリーびょういんへいく」