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第1回 猫の本

なちぐろ堂は、科学史関連の書籍の収集に力を入れております。店員の私は、「子どもの本」に興味がございます。
このブログでは、おもに絵本・児童文学のご紹介してまいります。一話一冊ピックアップの予定なのですが、しょっぱから規定破り3点のご紹介。「なちぐろ堂」という店名は猫からもらったものであることと、猫およびネコ科の生き物がとても好きなので、最初はやはり「ねこ本」を選書しました。よろしくどうぞおつきあいください。

「せいくんとねこ 」フレーベル館 30ページ
矢崎節夫/作 長新太/絵

魚をめぐる、”せいくん”と”ねこ”の攻防。両者、我こそが魚を食べるにふさわしいと 主張します。最後はせいくんに軍配が上がりますが、ねこに魚のあたまとしっぽをあげるせいくんの優しさがうれしい。気弱なだけかもしれませんが。長新太さんのカラフルなふにゃぁ〜っとした絵も楽しい。

「ネコのタクシー 」福音館書店 84ページ 2001年5月発行
南部和也/作 さとうあや/絵

 トムは速く走るのが特技のネコ。足を骨折して仕事が出来ない飼い主のランスさん(タクシー運転手さん)のかわりに、特技を生かし ネコ専用の小さなタクシーをはじめます。お母さんから教わった生きる知恵を、トムが時々思い出すところがとてもかわいらしいのです。母の言葉はすべて正しい、と鵜呑みにしていないところもおもしろくって好感がもてますね。絵本よりは文字多めなので、読むのなら小学低学年くらいからでしょうか。とても楽しい読み物です。「ネコのタクシー アフリカへ行く」という続きもでています。

「すてきなレインコート 」フレーベル館 34ページ
西村祐見子/作 松永禎郎/絵

 ぬいものがすきなおばあさんのおうちへ、猫のミケがぬいものを教えてほしい、と布をもってやってきました。それは見事なうすみどりの生地。ふしぎに ほんのり あまいかおりがするのです。このすてきな生地でミケは何をつくるのでしょうか。残念ながら、タイトルで何を作るかわかってしまうので ちょっとさびしいのですが、誰のために作ったのかわかると 心がほんわり温まる素敵な絵本。猫が主人公の絵本はたくさんありますが、不思議に素敵な生地の出てくるこの絵本が好きです。

手に入れやすいかどうかはお構いなしの選書です。ごめんなさい。
今後もねこ絵本に限らず、面白い絵本・児童書をご紹介していきたいと思っております。