「キュッパのはくぶつかん」 福音館書店 2012年4月発行 32ページ
オーシル・カンスタ・ヨンセン/作 ひだにれいこ(枇谷玲子)/訳

 

ノルウェーの絵本です。
いろいろな物を集めるのが好きな丸太の男の子「キュッパ」。森へ散歩にでかけ、面白そうなものを拾います。
木の枝、葉っぱ、石、タイヤ、くつ、電気スタンドなどなど・・・シルクハットまで!集めたものが見開きいっぱいに描き込まれていて圧巻。色合いがとってもキュートで、ひとつひとつ眺めるのがとても楽しい。(こんなものまで集めたの?というのを見るのも楽し。)
葉っぱならば何の木の葉っぱなのかを調べ、種類に分けて分類し、ラベルをつけ、保管するのです。
大きな大きな棚にたくさんの箱が置いてあって、集めたものをそこにしまうのですが、おやおや、どの箱ももう一杯で置くスペースがありません。困ったキュッパは、街に住むおばあちゃんに電話で相談します。
「たくさんの物があるのなら、いろんな人にみてもらえる博物館をつくってみたら?」
わたしなら、捨てなさい。というでしょうねえ。やさしいおばあちゃんです。

キュッパは、博物館を作る準備をはじめました。
机の上に並べ展示します。そして沢山の人にきてもらえるよう、博物館を開いたことをお知らせする広告を作り、町のあちこちにポスターを貼ったり看板を作ってたてました。
開館は、土曜日。沢山の人達が見てきてくれました。大成功。頑張った甲斐がありましたねぇ。踊ったり手をふったり一生懸命すぎてころんだり、体を張って展示品の解説をします。様々なポーズのキュッパの挿し絵が、か〜わいいんですよ〜〜。ヨーロッパで、ゆるキャラとして人気らしいというのがわかります。
けれど、案内をする仕事に疲れはじめたキュッパ。自分の家のトイレなのに、お客さんがいるので並ばないといけません。保管箱が寝室に押し込めてあるのでせまいしつまずいてしまうしで、木曜日には、なんだかもうげんなりしはじめています・・。次の土曜日には、博物館をやめる、という大胆さ。

けれど、収集品が多いのは、かわりません。またもや、おばあちゃんに知恵を借りるため、電話をします。
う~んキュッパには悪いけれど、やはりわたしなら、捨てなさい。の一点張りですね~・・・
優しいおばあちゃんは、またもや知恵をさずけてくれます。キュッパの大事なものをゴミだなんて言わないできちんとわかってくれるおばあちゃん。素敵だとおもいます。
「以前、博物館に行った時のこと、おもいだしてごらん?写真を撮り、アルバムに貼って、解説を書いたね」
図録を作ることを教えてくれました。手元に置いておかなくても、写真をみておもいだせます。それに博物館にこれなかった人たちにも見てもらうことができます。
そうして家にあるガラクタいえいえ収集品は、まだ使えそうなものは、資源回収ボックスにいれたり、フリーマーケットにだしたり、葉っぱや木の枝は森に戻しました。お家がすっきりしました。

「収集」、「分類」、「展示」、「記録」。博物館の作り方をわかりやすく教えてくれる、しっかりした作りの良い絵本とおもいます。物をリサイクルして有効活用すること、分別して処分する、という意識も授けてくれます。
一点、びっくりしたのは、「丸太」の少年ということですかね。愛嬌あってかわいいんですけど、これをキャラにするということがかなり意外に感じました。自然享受権(自然はみなのものなので、他人の土地であっても森林に立ち入ってもよいという権利があるそうです)のある北欧らしいキャラクターなのでしょうかね。

キュッパの本は、もう一冊あります。「キュッパのおんがくかい」