「空想化石はくぶつかん」 学校法人城西大学出版会 2018年6月発行 47ページ
森洋子/作

こんなところにこんな建物あったかな、と少年(ズボンをはいていますがオカッパ×かりあげのような髪型なので女の子かもしれません)がレンガ作りの建物の中へ。中はしーんとしていて、石になった生き物たちが静かに眠っているのです。
最初に出迎えてくれたのは、表紙にもいる「ティラノサウルス」。歩いています!おおきな頭を近づけて、少年に言います。
「きみをずっと待っていた。おれたちはきみの空想で目を覚ます。生きていたころのおれたちを空想しておくれ。さあ、みんなが待っている。」
ティラノサウルスは、強い+かっこいい+肉食+超有名ですから、やはりトップバッターに位置してますね。しかし、この頭の角度、ちょっと怖く感じません?も の す ご く みられてる。。。全長7.8mのティラノサウルスが、小さな少年を見るには、体を低くして目を近づけなくちゃいけないのかもしれませんね。 ついでガブっ ときそうですが、そんなことはありません、少年に握手をしてくれます。
次は、海の生き物、シーラカンスが案内してくれます。次のページは圧倒的。部屋の中は、水でいっぱい。化石の状態でなく、肉付けされています。空想したんですね。現在の魚とはちょっと違った不思議なかたちの昔の生き物たちが、たくさん泳いでいます。シーラカンスは、くちから空気の泡をはいてわらってる。少年も笑ってる。一緒に泳いで楽しそう。
次に待っていたのは、羽毛のはえた恐竜「アンキオルニス」。その次のページは、少年の空想です。アンキオルニスの羽毛はどんな色をしてどんな風にはえていたかな。虹色に輝いていたかも?それとも赤地に白のポップな水玉かな? 恐竜、といえばヤモリやトカゲから茶色や緑っぽいのだとかを想像しますが、豊かな空想がとても楽しくて美しいイラストです。絵本なんですもの、どんな色でもOKですよね。

うずまき化石「ヘリコプリオン」が、登場。生き物の一部分なんだそう。これはいったい何?恐竜のシッポ?タコの足?羊の角?それとも植物のシダ?
な・なんと・・サメの下あご、が正解。うずまき状にずらりと並んだ一つ一つが歯なのだそうです。遠い遠い昔は、こんな生き物がいたんだ、不思議ですね。
さてさて、古い時代から現在へ向かって、生き物が進化したあとをたどり、想像しながら博物館をまだまだまわります・・よろしければ、続きは絵本でどうぞ。化石を見て、空想(復元)する楽しさを感じてみてください。

巻末に「この絵本に登場する化石」を紹介するページがあります。学名、産地、どの時代に生きていたか、大きさ、どこの博物館に所蔵されているか、簡単な解説、といったデータがあります。登場する生き物たちが生きていたおおよその年代の表(カンブリア紀・デボン紀・三畳紀・ジュラ紀・白亜紀・・というあれ)もあります。興味を持ったお子さんにお役立ち。

森洋子さんは、モノトーンのなかに、赤色を印象的に配置するイラストをかかれます。そして、登場人物や町並みが昭和テイストなんです。昔こどもだった人たちは、懐かしさを感じるでしょう。今こどものかたも昭和レトロな感じがかわいらしいと感じるのじゃないでしょうか。

ほかの作品に・・「かえりみち」「まよなかのゆきだるま」「ぼくらのひみつけんきゅうじょ」「月の明るい真夜中に」