今回は、タイトル通り、元気な四姉妹の物語をご紹介させていただきます。マーチでなく、ペンダーウィックの四姉妹。ちなみに現代のアメリカが舞台です。四姉妹と隣家の少年そしてコテージで過ごす楽しい夏休み ってもう最強じゃないですか?!楽しくないわけないでしょお!!(スキな人は好きでしょう。)今回の投稿、大変な長文となっております。どうぞ気長におつきあい下さい。

ペンダーウィックの四姉妹(Sunnyside Books) 小峰書店 ジーン・バーズオール/著 代田亜香子/訳
「夏の魔法 シリーズ1」 2014年6月発行 325ページ
「ささやかな奇跡 シリーズ2」 2015年8月発行 374ページ
「海べの音楽 シリーズ3」 2017年6月発行 361ページ

ロザリンド(12才)、スカイ(11才)、ジェーン(10才)、バティ(4才)の四姉妹と大型犬のハウンド、そして植物学者のお父さん。
長女ロザリンドは、病で亡くなったお母さんの代わりに、みんなの世話をやき四女の面倒をみ、家事をします。冷静、穏やか、優しい。けどいきなりキレることも。
>次女スカイは、家事や子どもの面倒を見るのが大嫌い、サッカーと数学が得意なクールな子です。
三女ジェーンは、夢見がち。作家になることを目指して、物語を書いています。物語の構想というか妄想を口にだしては相手を困惑させています。
四女バティは、恥ずかしがりや。知らない人がいると、透明人間のフリをします。けれど幼いなりに状況をよく把握して発言できる頭の良い子です。

第1巻「夏の魔法」 夏のバカンスを、コテージで過ごすため、車で出発。学者肌のお父さんは、研究のことばかり考えているので案の定、道に迷います。着いた先は、アランデルという豪邸と素敵な広いお庭。そのお隣に、借りたコテージがあります。アランデル邸の持ち主、ティフトン夫人は美人だけれどとても傲慢。お庭には入ってはいけない・・・と言われているけれども、素敵なお庭を散策したいじゃありませんか!スカイは庭の探検に乗り出し、そこでティフトン夫人の息子ジェフリーと出会います。
スカイとジェフリーの出会いは、最悪でした。ジェフリーをミセス・ティフトンの息子と知らずに夫人の悪口を言ってしまうのです。スカイのズバッと言ってしまう性格とタイミングの悪さもあってケンカがこじれ、けれどついに仲直りするところなど、見ものですね。
ジェフリーは、ティフトン夫人の婚約者とうまくいっていない上に、音楽家になりたいという希望を夫人に反対されています。そういう親子関係の問題なども、読み応えあり。
上の三人は年があまり違わない姉妹ですが、ロザリンドが母代わりを担っているのは、優しい穏やかな性格ゆえらしい・・と読めるのも、少しほっとしますね。暴れんぼうのスカイと妄想ジェーンに、家事はできなさそうですし。
1巻の癒やしポイントは、アランデル邸の家政婦のチャーチーさん。子どもたちをいつも見守ってくれていてすごくあんしんするんです。。”ドレス”を選ぶ屋根裏のシーンが楽しい。そしてそして、チャーチーさんの作るジンジャーブレッドがおいしそうなんですよーほんと。食べてみたい。

第2巻「ささやかな奇跡」では、夏休みが終わって新学期が始まっています。お父さんの妹のクレア叔母が週末に遊びにきますが、亡くなった母から預かったという手紙をもってきます。母は父に再婚を願っていたというのです。再婚相手を探して、デートをすることになる父。亡くなったお母さんとの思い出が一番たくさんあるロザリンドが、特に反対しています。四姉妹は、父の再婚を阻止するため、策略を練ります。
継母ができてしまうかもという複雑な姉妹の気持ちと、ロザリンドに恋する幼なじみの少年とのやりとりと、学校で起きる騒動が絡み合って面白いです。
お父さんは、学者肌で、時々ラテン語を使うのですが、それがまた古き良き時代を思い出させる感じが、児童文学ぽくっていいですね。
物語の最初に、長女で12才のロザリンドは四女バティを保育園へお迎えの途中で、こう考えています。”あー、幸せ。ロザリンドは思った。心がふるえてぞくぞくするような幸せではない。そういう、すぐ失望にかわるかもしれない幸せではなく、おだやかな幸せだ。人生がこうあってほしいと思う方向にちゃんと向かってる感じ。”
なんて大人っぽいんでしょうか。たった12才なのに。やはり責任が彼女を大人にさせてしまうのでしょうか。父のデート問題が片付いたあと、長女と父は、二人だけで穏やかに話します。そのシーンがとてもいい!

第3巻「海辺の音楽」では、また夏休みです。今度は、海辺のコテージを、第1巻に登場のジェフリー少年と、クレア叔母と一緒に過ごします。ただし、長女のロザリンドは、友人と一緒に別の観光地で過ごすことになっています。長女の責任から休ませてあげたいという父の計らいです。スカイが最年長として、みんなのお世話と責任を担うことに!あの暴れんぼうのスカイがそんなことできるでしょうか。ただ、スカイも責任を重く感じていて、たいへん神経過敏になっています。緊張のあまり、ちょっといつもどおりじゃないのが、おかしくて読んでいて思わず笑ってしまいます。クレア叔母が足をくじいてしまったり、ジェーンが恋したり、ジェフリーの親子問題など、やはりトラブルが絶えませんが、スカイは頑張ります。涙をほろり、とこぼすところなど、目がうるんでしまいます。今巻では一番、スカイが大人になりました。そこが見どころと思います。ジェフリーとスカイの友情以上・恋未満な関係も、可愛らしくていい。バティも素晴らしい才能を開花させましたし、大満足な一冊でした。

長く熱苦しい文章でこの小説の魅力がお伝えできたかさっぱり心許ないですが、ここまでついてきてくださった方、ありがとうございます。あのシーンやこのシーン、あの一言が良かった!など、まだまだ書きたいのですが、控えましょう。
アメリカでは、第5巻まで発行。(しかも5巻が最終巻のよう。)翻訳が待ち遠しいシリーズなんです。早く続きが読みたい!