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第39回 楽しい一日が終わってしまうさびしい感じ

「よるのかえりみち」 偕成社 2015年5月発行 32ページ
みやこしあきこ/作

妖怪に襲われたり・追っかけられたり・さらわれそうになったりするのをかいくぐって、家に向かって突っ走れ!というそんなような怖い内容なのかと、タイトルから勝手に想像していたのですが、そうではありませんでした。

遊び疲れた男の子。日が暮れた町を、お母さんにだっこしてもらいお家へと帰っています。店じまいする本屋さんやレストラン。町を歩いている人もいなくて、しんとしている。でも耳を澄ませば、通りに並ぶおうちには人がいる。窓に明かりが灯っている。パーティが開かれているおうち。ソファに座ってテレビをみたり。晩ごはんを準備する。本を少し読んでうたたねをする。お風呂で足をのばして疲れを癒やす。みんなそれぞれの夜を過ごして一日の終わりを迎える。

楽しい一日が終わったけれど、眠るには名残惜しい、ちょっと寂しくなっちゃうような、そんな夜の終わりの感じが素敵。家に帰り着いた男の子には、穏やかな眠りがおとずれるのでしょう。黒が基調の挿し絵が懐かしいような雰囲気でひきこまれます。とても静かな絵本です。おやすみ前に読むと良い夢が見れそう・・