「ウエズレーの国」 あすなろ書房 1999年6月発行 33ページ
ポール・フライシュマン/作 ケビン・ホークス/絵 千葉茂樹/訳

夏休みの時期にぴったりな一冊、いかがでしょうか。(夏休みじゃなくても面白い絵本とおもいますよ。)
ピザやコーラは大嫌い。町で流行りの髪型(両サイド剃り上げ、いわゆるモヒカンというすごいスタイル)なんてしない、ちょっと変わったウエズリー。友達はいない。学校帰りにちょっかいをかけにくる子ならいますが、逃げるのは得意。「ウチの子はまわりからちょっと浮いてるね」と両親が話しているのをこっそり聞いて、その通りかもしれないなと自分で納得しています。そんな男の子の庭に、図鑑にものっていない不思議な植物がやってきます。楽しい楽しい夏休みが始まります!

この植物、実は絞ってジュースに、根っこはゆでても・焼いても・フライにしてもいける。(おいしそうでたまりません!)皮・茎・葉っぱを使ってコップ・フォーク・カゴなどの道具や機械を作ります。なんと機織り機を作って、軽くて涼しい服まで!他にもいろいろたくさん。ウエズレーは、この庭をウエズランディア(ウエズレーの国)とよんでいます。興味を持った子供たちには、虫除けクリームを作る作業をしてもらったり(虫除けを売るのがなかなか賢い)、ウエズランディアのゲーム(ラクロスのスティックの進化版みたいなのを使ってます)で一緒に遊びます。両親ものちに招待します。

すごいのは、これから。ウエズレーは、文字を作り、モノのひとつひとつにウェズランディア語で名前をつけ、新しい言語をつくりあげます。もともと、発明は好きなようで本をたくさん読んでいる。自らの知識をもとに、おいしくて加工自在な作物で新しい文化を作り上げるという発想・豊かな想像力が面白いですね。植物の利用方法を読むとほんとわくわくします。ほんとにこの植物があったらいいなとおもいます。そして、新しい学期が始まったら、ウエズレーは一人じゃなかった。

異端な自分を認識しつつも好きなことに邁進するウエズレーがいいですね。息子に無関心・無理解な両親の会話の冒頭にすこし悲しくなるのですが、友達ができ両親が歩み寄ってくれるという流れに、ほっとします。すごく楽しい夏休みを過ごせているのがうらやましい。特に、高いところにツリーハウスを作って、星空のもと暑い夜を涼しく過ごす・・・というくだりに、ため息がでます。今年の夏は、ウエズランディアに(涼みに)行きたいなあ。