「年をとったワニの話 (ショヴォー氏とルノー君のお話集1)」 福音館書店 1986年発行(2002年に再刊発行)
レオポルド・ショヴォー/文と絵 出口 裕弘/訳

今日は、ちょいとダークな児童文学をご紹介。
お父さんのショヴォー氏が幼い息子のルノーくんに語ります。ただそれがなんというか、小さな子に語るにはちょっと早いような、人によっては残酷に感じるかもしれない、暗らぁいユーモアを含んだお話なのです。
「年をとったワニの話」年をとったワニにタコの恋人ができる、というだけで、なんだか笑ってしまうのだけど、お腹が空いたなぁと恋人のタコ足を一本、二本・・とつまんで、ついにはすべてを食べてしまう。愛ってそういう面があるかもね・・、なんつって思います。
「メンドリとアヒルの話」これまたブラック。ブラックすぎてポカンと口があきます。子どもがおもったように育たなかったので、空中から投げ落とす・・という衝撃的なお話。そんなお話を、おそらく4〜5才の子供にしてもよいのだろうか・・。

笑っていいの?と思うほどブラックなお話の合間に、ちょいちょいはさまれるショヴォー親子の会話がかわいくて、これが癒やし。フランス語の原著は1923年の発行だそうです。時代もあると思いますが、フランスのお子さんは大人だなあ。
ショヴォー氏はお医者さんであったそうです。ですから人間の生物としての本能や命の尊さと儚さを強く感じたのかもしれません。まあ、構えず気楽に読むのが吉でしょうか。今の日本ではやはり大人のほうが楽しめるようにおもいます。教訓など皆無な黒い寓話にニヤ〜っとしたい大人のかたにどうぞ。第1巻には「ノコギリザメとトンカチザメの話」「メンドリとアヒルの話」「年をとったワニの話」「おとなしいカメの話」と全部で4編収録。

ショヴォー氏のお話集は、全5冊のシリーズです。
「年をとったワニの話」「子どもを食べる大きな木の話」「名医ポポタムの話」「いっすんぼうしの話」「ふたりはいい勝負」