「おおかみだって きをつけて」 フレーベル館 2014年発行
重森千佳/著

3匹のこぶた、7ひきのこやぎ、あかずきんちゃん・・・昔話や絵本で、常に負けてきたワルモノたるオオカミ。そう、彼らも学ぶんです。それを、オオカミ目線で描いた絵本です。

どうすれば獲物を捕まえられるか、鍋で煮られないように、狩人につかまらないようにするにはどうするか。おばあちゃんの忠告や本から彼らがどれだけコワイのか学んでいる、この絵本の主人公のオオカミくん。
7匹の子ヤギはなんと、首からハサミをさげています。(オオカミ視点で見ればホラーですよね。かわいい挿絵なのに。)あかずきんちゃんにお花を摘んでおゆきなさい・・・とそそのかしたのに、彼女は先にばあちゃんのお宅へ着いていて、オオカミを戸口で出迎えます。
そう、やはりオオカミの敗退が描かれます。こひつじやこぶたやあかずきんちゃんのほうが絵本では一枚ウワテなんですね。弱きものが食べられずにほっとするけど、オオカミくんのお腹を満たしてやりたいというなんだか微妙な相反する気持ちになります。

作者のイラストがほんと素敵です。お部屋の中の小物や洋服などが書き込まれていて、とても可愛いくて、1ページ1ページ眺めるのが楽しい。青を基調としたオオカミくんのお部屋が特にカワイイんです❤肩からさげたバッグがおしゃれで、私も欲しい〜。

絵本のラスト、反撃されず命は奪われずにすんだ、と安心して眠りにつくオオカミくん。おなかはペコペコですが。リンゴで飢えをしのいだ形跡があります。捕食者なのに優しいっていうか、不甲斐ないオオカミくん。でもそこがイイ❤明日は羊のお肉が食べられるといいね、とかいうとなんか残酷に聞こえますか。
オオカミも学ぶけど、オオカミに狙われる彼らもさらにずる賢くいえいえ賢く学んでいます。そりゃそうですよね。食べられたくないですもん。オオカミは現実ではただただ強者なので、こういう遊んだ設定の絵本は楽しいですね。