「まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん」 小学館 32ページ 2016年発行
朽木祥/作 片岡まみこ/挿絵

猫はねこでも、山で暮らすノネコが主人公です。
ノネコは訪ねてくれる人がいなくて寂しくてたまらない。とうとう自分で友達を探しにいくのですが、元気ハツラツな子犬に追われ、土管に逃げ込めたのは良かったのですが、つっかえて出られなくなってしまいます。その夜は満月。猫の主張(あたたかい寝床を!とか雨の日は23時間の睡眠をとる権利を!とか)を叫ぶ日なのですが、ノネコがはまった土管の上がその主張のヒノキ舞台なのでした。そして満月がのぼった空の下、猫の主張とダンスがはじまります。
土管にはまって足がとびでた状態のノネコを見物する猫たちの猫らしいちょっと奔放な行動がとても可愛らしい。「猫というものは、自分勝手に見えて、意外に思いやりも想像力もあるのだった」など著者の猫という生き物についての考察がところどころにあり、猫好きな著者だなと感じます。著者の作品の「かはたれ」にも猫がでてきますし、だいぶん好きそうですね。
友達が遊びに来て欲しい、というノネコの願いが叶い、たくさんの猫たちが山へ訪ねてくれるラストシーンがうれしい。勇気をだして山をおりた甲斐があってよかったよかった。テーブルには、シチュー、フィッシュケーキ・小エビのから揚げ、ミルクとチーズのプディングなどごちそうが並べられていて、おいしそうでたまりません。フィッシュケーキをおよばれに行きたいですね。版画の挿絵は片岡まみこさん。とてもかわいらしくて魅力的。おすすめな絵本。

他作品に・・・
「かはたれ 散在ガ池の河童猫」 小さな猫に姿を変えてやってきたカッパの子”八寸”と少女”麻”の物語。
「たそかれ 不知の物語」 かはたれの続編。 他にもたくさん。