表紙をごらんください。飛行機が壁を突き破ってます。かなり深刻な状況です。もし本当なら大事故です。操縦士は、そんなとき なんていったらいいんでしょう。
「ごめんなさい」

「そんなとき なんていう? (ゆかいな れいぎさほうの ほん)」 岩波書店 2016年6月再刊(邦訳版初版は1979年11月) 48ページ
セシル・ジョスリン/文 モーリス・センダック/絵 谷川俊太郎/訳
原著「WHAT DO YOU SAY, DEAR?」 Sesyle Joslin, Maurice Sendak 1958年

まちで一人の紳士が、みんなに あかちゃんゾウをあげている。いつもほしいとおもっていたから きみも いっとう うちへもってかえりたい。
でもまず紳士は きみに あかちゃんゾウを紹介する。そんなときなんていう?
「はじめまして」

きみは牧場をみまわるカウボーイ。そこへ突然とんがりビル(わるもの)が背中から拳銃つきつけ「どたまに かざあなあけてやろうか?」とすごむ。そんなときなんていう?
「いいえ、けっこうです。」

映画やドラマの見せ場にしか起こりそうにない大事件、大盛りあがりの極限の状況での第一声のはずが、かなりまっとうなごあいさつというのがおかしみを誘います。このギャップからにじみでる不思議なユーモアが大好きです。きっと英語圏の方には礼儀作法として定型文的文章なので笑ってしまうということなんでしょうかね。

姉妹本に
「そんなとき どうする? (たのしい れいぎさほうの ほん)」 岩波書店 2016年6月再刊(邦訳版初版は2013年) 48ページ
セシル・ジョスリン/文 モーリス・センダック/絵 小宮由(こみやゆう)/訳
原著「WHAT DO YOU DO, DEAR?」 Sesyle Joslin, Maurice Sendak 1961年

こちらも、めったにないであろう11の場面のシチュエイションでの、一瞬ぽか~んとしてしまう礼儀作法がみもの。
としょかんで ほんをよんでいたら、とんがりビル(わるもの)に なげなわを かけられてしまった。「つかまえたぞ。いますぐおれさまのかくれがへ しょっぴいてやる。さあ、こい!」とすごむ。そんなときどうする?
「としょかんでは、しずかに あるきましょう。」