夜、暗くなって布団に入ります。真夜中にふと目が覚めると、しんと静まり返って家の中は静か。そんなときに限ってトイレに行きたくなっちゃったりして、暗闇が怖くて行けない・・ということが幼いときにありました。みなさま覚えがあるのじゃないかとおもいます。暗闇に隠れる捕食者に捕まらないようにという太古からの本能なのだそうです。暗くて見とおせない闇の中に何かいそうな気がするから怖いのだ、ということが今はわかっていて、「明るい場所から暗闇をのぞきみること」=怪談をきくことがたのしいと思うようになりました。成長したもんすよね~。

「夜のスイッチ」 晶文社 2008年9月発行 52ページ
レイ・ブラッドベリ/文 マデリン・ゲキエア/絵 北山克彦/訳
原著「Switch on the Night」 Ray Bradbury Madelein Gekiere 1955年

このお話の主人公の男の子も、夜が嫌いです。
「その子が好きだったものは、
ランタンにランプ
そして
たいまつにろうそく
そして
灯台にかがり火」
暗闇には何もない、何もいないんだ、と自分にどれだけ言い聞かせても、夜への恐怖は抑えがたい、恐ろしい。わかります、こわいものは怖いんですよね。
「暗くなると、外に遊びにでようとしなかった。その子はとても孤独だった。」
ほんとうは、夏の夜に外でほかの子どもたちが遊んでいるのがうらやましかったのです。
夜きっかけが欲しかったのですね。
ある夜、黒い髪、黒い瞳、黒のドレスを着た少女、ダークがたずねてきます。
ダーク曰く、
明かりを消すということは、夜のスイッチを入れるということなのだ、というのです。
夜のスイッチを入れると、コオロギに”スイッチ”が入って鳴きだす。
カエルも鳴きだし、空の星や月にスイッチが入って輝きだすのです。
明かりを消すことで夜の楽しさをみつけたのです。

その発想はなかった!と初めて読んだ時おもいました。
闇の中には何もいない!と思い込むというやりかたで私は夜の恐怖を克服しましたが、こんなにやわらかで楽しくて美しい方法があったのですね。子供の頃にこの本、読みたかったなあ。
挿絵も美しいです。ふっくら丸い線が優しい色合いとぴったりあって優しい感じがします。