ゴンゴン星に住む、スモンスモンが、トントンに乗って、ロンロンを探しに行く、というものがたりです。
スモンスモンって、トントンって、ロンロンってなに?とおもわれるでしょうが、読んでいるうちにわかる、不思議な絵本です。その意味不明な言葉はさほどはないので、すぐ覚えることができます。異国の言葉をマスターするあの感じ。そのものと意味が結びつくのがすごく楽しいです。読んでいくにつれ、わかるように訳してくださっています。語呂のよさがいいです。こんな楽しい訳にされるの、たいへんだったんじゃないでしょうか。
こんな変な設定は、わけわからん、なんてそうおっしゃらず、「異星を旅している」ということでまあひとつどうぞよろしく。

「スモンスモン」 岩波書店 2019年10月発行 38ページ
ソーニャ・ダノウスキ/文・絵 新本史斉/訳
原著「SMON SMON」 Sonja Danowski 2018年

簡単にあらすじをいいますと・・
スモンスモンは、食べ物であるリンゴのような実のロンロンを探しにでかけました。途中で崖に落ちて、クロンクロンやフロンフロンにたすけてもらいます。なんでもわけあって助け合って暮らしているのがすごく楽しそうなのですよ。ゴンゴン星があるなら、ぜひとも行ってみたいものですね。そしてロンロンを食べたい。

同じ音を2度くりかえす最後に「ン」がつく言葉なので、語呂がすごくいいですね。読み聞かせによいのではないでしょうか。
人のようですが少しずつ違う独特の造形のいきものたちなので、もしかしたら人によっては怖いかもしれません。でもよーく見ると、体型がふっくらしていてなんだかかわいい。フロンフロンというふくろうのような生き物の羽根がカラフルで美しいです。スモンスモンのお鼻がなぜか黒いのですが、わんこのようです。なんで黒くしたんだろう?かわいいからいいけど。
スモンスモンの顔が妙にリアルなのですよね。切れ長の特徴的なマユゲ、健康そうなバラ色ホッペ、美しい赤の唇。モデルがいらっしゃるのではないかと感jじるほど、リアルです。昔の宗教画のような立体的に感じない平面のように描かれた顔なのですが、丹念に描かれとても存在感があります。全体的におとなしい暗めの色調ですが、とても美しい色合いの絵本です。

おまけに、見返しの絵が、モーレツにかわいいです。ひものようなヨンヨンがツタのように装飾され、赤いロンロンがたくさんちらばって、美しい羽根のフロンフロンの親子が神獣のようで神秘的でステキ。色合いがたまりません。好きな人は好きな挿絵だとおもいます。興味惹かれましたらどうぞ手にとってみてください。

著者のソーニャ・ダノウスキさんは、ドイツの絵本作家。邦訳された絵本に「はじまりのはな」があります。