今回は、児童文学をピックアップしてみました。
ホームズよりルパンが好きなのは、子供の頃の愛読書がコレだったからとおもいます。
「大どろぼう ホッツェンプロッツ」 1966年
「大どろぼう ホッツェンプロッツ ふたたびあらわる」 1970年
「大どろぼう ホッツェンプロッツ 三たびあらわる」 1975年
偕成社 オトフリート・プロイスラー/著 中村浩三/訳 フランツ・ヨーゼフ・トリップ/挿絵
全三巻のシリーズです。
新聞を騒がさぬ日はないという、大どろぼう ホッツェンプロッツ。
おばあさんのコーヒーひきを奪ったどろぼうを捕まえるべく、カスパールとゼッペルという少年二人が頑張るおはなし。(大どろぼうと名乗っているわりに、庶民的な物を盗みますよね。)ホッツェンプロッツの友人・大魔法使いツワッケルマンも登場。これもまた悪どい人で、ワクワクします。カスパールとゼッペルは、コーヒーひきをとりかえせるか?
第2巻は、脱獄したホッツェンプロッツをカスパールとゼッペルがおいかけます。おばあさんもとらえられてしまったり!します。ずる賢いおおどろぼうに知恵を絞ってわたりあう少年たち。さあどうするどうする。
最終巻の「大どろぼうホッツェンプロッツ 三たびあらわる」では、
1・2巻で悪事を働いたホッツェンプロッツが、どろぼうを廃業するという、驚きの始まりです。今までががっつり大暴れしてきたものだから、どろぼう稼業をやめたいと思ってるのに信じてもらえないホッツェンプロッツですが、あるものを盗んだと疑いをかけられて・・。やっぱりびっくりすることに、カスパールとゼッペルがホッツェンプロッツの無実の証明に協力するんです。すごい展開ですよね~。
3巻の最後に挿絵がはさまれるのですが、この挿絵がすごくいいんですよ〜。(このイラストのある版とない版があるようです。)
第3巻のホッツェンプロッツの憎めなさがほんと大好き。1巻だけでなく、ぜひとも3巻まで読んでいただきたい。わたしのだいすきなどろぼうさん♡
少女だったわたくしには日本とは違う、ドイツの風習や言い回し、フランツ・ヨーゼフ・トリップの独特な濃ゆ〜いイラストがとっても魅力的でした。1巻では、挿絵とともに(おそらく)作者のツッコミもはいっていて、これまたすごく楽しいんですよ。
そしてなんと言っても、食べ物! プラムケーキ、じゃがいものからあげ、ザウアークラウトとソーセージ、にんにくたっぷりキノコ料理、ハタンキュウのブランデー、アッペルシュトルーデル、山盛りのチョコレートドーナツ、シュトロイゼルクーヘンなど、馴染みのないドイツのお料理がおいしそうでたまりませんでした。「生クリームをたっぷりかけたプラムケーキ」ってどんなものだろう、少年たちが毎日食べたがるのだから、よほどのものだろう(ゴクリ)・・と思ったものです。
小学低学年あたりから楽しめるシリーズと思います。とても面白いシリーズです。プロイスラー氏は ドイツの作家、1923年生まれ。わたしがドイツに興味を持つきっかけとなった物語なのでした。いつか行ってみたい国のひとつです。
プロイスラーの他作品に・・・
「小さい水の精」「小さいおばけ」「クラバート(魔法使いとその弟子のお話/長編)」「ユニコーン伝説(ゲンナージ・スピーリンの挿し絵がとてもとても美しい)」など、昔話・民話を題材にしたお話などたくさんかいておられます。